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						製作:1996年1月16日 
						記事:1996年1月20日 
					 
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						モノグラムの1980年代のキットであるが、この時代のモノグラムキットの常として、パネル開閉選択のギミックが多く、さらにこのギミックの合いが悪いことが上げられる。 
						このP-51Dのキットも、機首下面の開閉選択式のパネルが全くと言っていいほど、合っていない。	大体にして、エンジンを修理・点検するディオラマを作るとしても、このパネルだけはずれた状態では仕方がないと思うのだが? 
						この他、左翼の機銃パネルも別パーツだか、内部もさほどでもなく、ありがた迷惑な構成である。 
						 
						外形的には、ほぼ問題なく些細な部分を除いて、D型をモデライズしている。B型では、全くなっていなかった機首上面のラインやラジエータ排気部なども、正確に再現されている。 
						また、細部のモールドもすばらしい部分が多く、余計なギミックさえなければ、作り易くて良いキットである。 
						 
					 
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						◇コクピット・キャノピー
					 
					
						コクピット内部はモノグラムお得意の所で、メリハリのあるモールドで仕上げられている。デキとしては10年ほど新しいハセガワをしのぐほど(ハセガワがモノグラムを参考にしているようにも見える)で、丁寧に塗り分けるだけで精密なコクピットが再現する。 
						 
						キャノピーは可動部のフレームとアクリルガラス部分が別となっているため、合わせ目がきれいにならない。また、このフレームにヒケが出ていてパテのお世話になってしまった。 
						このキャノピーはスライドできるが、開けた状態とする場合は可動用のデッパリが目に付くので、これを削り落として固定する必要がある。 
						キャノピー内に付いているアーチ上のフレームにはピンバイスで軽め穴を開口してある。 
						 
					 
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						◇胴体
					 
					
						いつものようにパネルラインを彫り直す訳だが、小さなパネルのモールドなどが一段と浮き上がって再現されており、彫り直すのは惜しいできになっている。 
						そのため、できるだけこれらのモールドを活かすことを念頭入れて作業を進めた。 
						ラジエータ排気口部分が、合わせ目が直線にならなかったりしていたので、プラ板とパテで整形してある。 
						 
						また、尾輪は後から差し込めるように取り付け部を加工し、扉は胴体一体整形となっていて、作業の邪魔となるため、切り離して最後に取り付けるようにした。 
						 
					 
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						◇主翼・尾翼
					 
					
						主翼、尾翼とも胴体と同じようにもとのモールドを活かすように、パネルラインを彫り直し、左翼の機銃パネルは固定しパテ埋めで修正してある。 
						また、右翼下面の3色灯は透明ランナーでガラスを作り、裏側から着色(前方より赤、緑、橙)してあるが、いまいちであった。 
						 
						翼端と尾端の航行灯もクリア材で置き換えてある。 
						 
					 
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						◇エンジン・プロペラ
					 
					
						エンジン部分は何と言っても、下部の開閉選択パネルが問題である。固定してすき間を埋めた。 
						 
						プロペラ・スピナーは外形的に問題はないが、プロペラが4枚一体でスピナーに挟み込むようになっていて、スピナーの整形がしにくいので、プロペラを切り離し後から差し込むようにした。 
						 
					 
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						◇降着装置
					 
					
						その他、主脚にブレーキパイプを追加し、内側扉の作動ロッドをハセガワのP-51Dから流用してある。 
						脚収納庫内部と扉裏側のモールドはすばらしいデキである。これを見せたいため、実際の写真を見ると多くの場合は閉じられているのだが、あえて内側の扉も開けた状態とした。 
						 
						主輪のハブ中心部は、主脚のシャフトの頭がそのまま見える構成で実感がないので、手を加えてある。また、このシャフトと主輪の穴径が合わないので、穴径を小さくなるように加工してある。 
						タイヤや尾輪のモールドはトレッドパターンをきちんと表現され充分なデキである。 
						 
					 
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						◇小物
					 
					
						主翼の12.7mm機銃口は1.2mm径と0.8mm径のアルミパイプを組み合わせたもので置き換えてある。せっかくなので、実機よりも若干、前に突き出た状態とし、デティールアップしてある事をアピールしてある。 
						また、主翼下面の増加燃料タンク(紙製タイプ)もハセガワのP-51Dから、揺れ止めごと流用した。モノグラムのパイロンとの合いは良くないが、パイロン側を削って強引に接着した。 
						 
						アンテナマストやピトー管、左主脚庫に付く着陸灯などはキットのものを使用してある。 
						細かい所では、ラジエータの空気取り入れ口に細い支柱があるので、延ばしランナーで追加してある。 
						 
						このキットにはラジエータのパーツがなく、この取り入れ口も塞がっている。完成後、前から見るとやはり気になり、手を加えておけば良かったと反省している。 
						 
					 
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						◇塗装・マーキング
					 
					
						パネルラインを直し、下地が充分平滑でないためと、機首部分の整形でエアフィルターの穴が無くなってしまったため、選べる機体、塗装は限られてしまった。 
						結局選んだのが、第20戦闘大隊第55中隊のKI☆Z機である。全体が銀塗装で主翼、尾翼と胴体上面がオリーブドラブ色、塗り分けパターンに特徴があるものである。機首は第20戦闘大隊の白、黒、白の塗り分け。 
						垂直尾翼に大きな黒い三角形のマークがあり、この中にパーソナルコード(この場合はZ)が白色で入っている。 
						インベンションストライプや主翼、尾翼などの黒帯は付いていない。はっきりした写真がないので、良くは分からないが機首に何か書かれている可能性もある。 
						 
						塗装は国籍マークのダークブルーと細かいステンシル以外は、全てマスキング+エアブラシーで仕上げてある。アメリカ陸軍機の場合、燃料給油口のキャップは赤色で塗られているが、この紙製増加燃料タンクのキャップは銀色のままのようだ。 
						ちなみに、この増加燃料タンクも、このタイプの後に使われる金属製のものになると、キャップの赤色だけでなくキャップ回りに、やはり赤色でサークルが入り、すぐ下には白地の四角形の中に注意書きが書き込まれるようになる。 
						 
					 
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						◇まとめ
					 
					
						塗装する前に、サーフェイサーをエアブラシしてから、少しは磨いたのだが、その磨きだしが不足していたようで、銀色が艶のない仕上がりになってしまった。 
						やはり、銀塗装に手抜きは禁物である。 
						 
					 
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						◇参考資料
					 
					
						1) AIRCAM AVIATION SERIES No.5 P-51B/C MUSTANG 
						2) 世界の傑作機 1972年8月号(No.28)P-51A〜Cムスタング 
						3) 世界の傑作機 1999年3月号(No.75)P-51A, B, Cムスタング 
						 
					 
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